工学部2 類では,1 年次は全員共通で教養教育科目を中心に学びます.
2年次からは「電子システム」,「電気システム情報」の2 つのプログラムに分かれて,それぞれの専門科目を基礎から応用まで体系的に学べるカリキュラムを提供することで,確かな基礎力と深い専門性を養います.専門基礎科目や専門科目はプログラム間で重なりをもちながら,それぞれの分野で必要な専門的知識や応用力が得られるように構成されています.

4年間の学習の流れ

4年間の学習の流れ4年間の学習の流れ

2つのプログラム

電子システムプログラム

半導体電子素子,光素子及び集積システムを開発する技術者に必要な電磁気学,量子力学,半導体素子工学,電子回路理論などの物理系と電気系の基礎から集積システムの製造・設計技術までを実験や実習を含めて体系的に修得することができます.

専門が活かせる業種
半導体、デバイス、電気、電子、自動車、通信、ソフト、電力など

電気システム情報プログラム

電気技術に係るシステム制御・設計・管理を行う技術者に必要な電気回路・エネルギー,情報工学,人工知能(AI),計測制御,システム計画管理に関する分野の基礎理論に加えて,電力システム,コンピュータ,ロボット,生体情報システム,社会情報システム等の応用まで学ぶことができ,産業システムや社会システムを分析・設計する上で必要となる技術を習得することができます.

専門が活かせる業種
電気、電子、電力、機械、自動車、ソフト、ソリューションなど

学べる専門科目

※赤丸「」は主として習得する専門科目です

専門細目分野 プログラム 電子システム 電気システム情報 主な授業の内容
専門細目分野 プログラム 電子システム 電気システム情報 主な授業の内容
専門基礎科目 応用数学,(微積分,級数,ベクトル・行列),電子システム(トランジスタの原理と構造,コンピュータの原理),電気回路理論,プログラミング,工学実験
専門科目 物性工学 電気磁気学,量子力学,ナノテクノロジー
専門科目 集積システム 半導体デバイス工学,論理システム設計,集積回路の基礎と設計法
専門科目 電気回路・
エネルギー
回路理論,電子回路,電力システム工学,エネルギー発生・変換
専門科目 計測制御 信号処理工学,ロボット工学,通信工学
専門科目 システム
計画管理
数理計画法,シミュレーション工学,意思決定論,生産管理論
専門科目 コンピュータ ディジタル回路設計,計算機構成論,オペレーティングシステム,計算機ネットワーク
専門科目 情報数理 アルゴリズムとデータ構造,プログラミング言語,インテリジェントシステム

※赤丸「」は主として習得する専門科目です

研究室一覧

  • 電子システムプログラム
  • 電気システム情報プログラム

先端集積システム工学

先端集積システム工学

電波と光の中間の性質を持つテラヘルツ帯に至るまでの超高周波集積回路を用いたデバイスと、それを用いたセンサーや通信システムの研究を行っています。量産に適したシリコンCMOS集積回路により超高周波デバイスを作ることで、革新的な性能を持つデバイスを誰でも簡単に使えるようにします。2020年に始まった第5世代通信(いわゆる5G)に続く第6世代(6G)には、テラヘルツ帯を使った300GHz帯の無線通信が期待されています。2019年には、300GHz帯を用いた毎秒80ギガビットの無線通信が可能なワンチップCMOSトランシーバーを世界に先駆けて実現しました。
 革新的なデバイスの実現は、それを構成する要素回路を改良していく地道な作業の積み重ねです。過去に使われた技術が本当に最善の方法とは限りません。基礎理論や物理法則に立ち返り、なぜそうするのかを考え、デバイスを形にし、評価することで革新的な性能を実現していきます。

  • 藤島 実

    教授藤島 実

  • 吉田 毅

    准教授吉田 毅

電子デバイス工学研究室

電子デバイス工学研究室

当研究室は高周波集積回路の設計や測定に関係する研究に取り組んでいます.最近は回路シミュレータや電磁界シミュレータの発達が著しく,シミュレータで試行錯誤して設計するということが現場では増えているかもしれませんが,我々は理論も大事にしながらなるべく長く使える成果を出すことを目指しています.
 回路設計論の研究では,主にミリ波という非常に高い周波数で動作する回路の研究をしています.高周波では測定も一筋縄ではいきません.問題の数学的構造上,きれいには答えが出てこないようになっていることもあり,あらかじめ理論的・定性的にわかっている情報を使いながらもっともらしい推定値を出すといった極めて工学的なアプローチも要求されます.

  • 天川修平

    准教授天川修平

ナノデバイス研究所

ナノデバイス研究所

広島大学ナノデバイス研究所は、半導体・ナノテクノロジーを基盤として、異分野融合による医療やエネルギー分野のイノベーション創出と新学術領域を創成することをその設置目的としている。国内最大級のスーパークリーンルーム2棟(クリーンルーム床面積:830 m2)を有し、クラス10のクリーンルーム環境に加え、高純度ガス・超純水供給設備をもち、国内随一の極めて信頼性の高い半導体デバイスを試作することが可能である。システム領域の研究としてAI・IoT, Beyond 6G高速通信などの研究開発も進めている。全国規模の研究開発拠点であり、1.文部科学大臣認定 共同利用・共同研究拠点「生体医歯工学共同研究拠点」、2.文部科学省ARIMマテリアル先端リサーチインフラ拠点、3.経済産業省J-Innovation HUB 地域オープンイノベーション拠点[国際展開型]に採択されている。

  • 岩坂 正和

    教授岩坂 正和

  • 亀田 卓

    教授亀田 卓

  • 黒木 伸一郎

    教授黒木 伸一郎

  • 寺本 章伸

    教授寺本 章伸

  • 後藤 秀樹

    教授後藤 秀樹

  • 小出 哲士

    准教授小出 哲士

  • 中島 安理

    准教授中島 安理

量子機能材料科学研究室

量子機能材料科学研究室

現在,コンピュータやスマートフォンなどで使用される電子デバイスのトランジスタの加工サイズは小さくなり,数10ナノメートルのレベルまで到達しています.ナノメートルは100万分の1ミリメートル(10-9m)です.
 本研究室では,ナノテクノロジーの研究を進めています.ナノテクノロジーは,ナノメートルサイズの材料を作製・加工し,それらの物性を利用する技術です.特に,「表面科学」,「自己組織化」,「ナノ材料」をキーワードとして,将来の電子デバイスのためのナノテクノロジーおよびナノサイエンスの研究をしています.このような研究を通して,電子デバイスに限らずに幅広い分野の技術開発に取り組める学生の育成を目指しています.

  • 鈴木 仁

    准教授鈴木 仁

  • 坂上 弘之

    助教坂上 弘之

量子光学物性研究室

量子光学物性研究室

[1-2](角屋教授)
[1]医薬品開発など様々な場面での応用が期待されているテラヘルツ帯電磁波の発生検出素子を開発している.
[2]実在物質では実現できない波動伝搬制御が可能になるメタ表面に関して,基本理論と実デバイスの両面から研究を進めている.
[3-5] 量子光学・量子情報処理の研究(ホフマン教授)
光子のレベルで,光は古典的な限界を超える量子的性質を示す.この様な光の非古典的な性質を用いて,様々な先端的な量子情報技術を実現できる.量子情報の可能性を理解するため、理論知識は不可欠である.本研究では、ヒルベルト空間の数学を用いて測定統計や量子状態の制御を解析し、最近の量子技術の動作原理を明らかにしている。
[3] もつれ合い状態の非局所的な量子相関の研究: 2つの量子系の間は、局所的な状態では説明できないほどの強い相関可能である。このような相関関係を持つ量子状態を「もつれた状態」という。もつれ合い状態の性質と応用を理論的に調べる.
[4] 量子測定の研究: 不確定性原理により、量子状態は測定統計しか示していない。本研究では、測定の不確定性限界を調べる、最適な量子系を制御する方法を検討する。
[5] 多光子干渉の解析: 多光子状態には量子相関があるため、これを利用して干渉計で非常に高い位相精度を実現できる。本研究では、干渉効果の光子統計を調べる、位相依存性を解析する。
[6] (富永准教授)
世界的に比較的新しいビスマス系III-V族半導体半金属混晶の結晶成長を基軸に、光学・テラヘルツデバイスの開発に取り組んでいます。バイオミネラリゼーション分野との融合を目指した、細菌に化合物半導体を結晶成長させる技術の開拓にも挑戦しています。

  • 角屋 豊

    教授角屋 豊

  • ホフマン ホルガ

    教授ホフマン ホルガ

  • 富永 依里子

    准教授富永 依里子

量子多体物性研究室

量子多体物性研究室

半導体や金属等からなるナノメータスケールの微小系では,電子は粒子性と波動性を併せ持った不思議な振る舞いを示します.また,光もナノサイズの構造によって大きな影響を受け,強く散乱されたり,逆に閉じ込められたりします.特に,周期的なナノ構造中の光には,結晶中の電子と同様のバンド構造が現れます.当研究室では,このような微小系の中の電子と光が生み出す量子物性について,理論的な研究を進めています.トンネル効果や超伝導に代表される量子効果,及び,周期構造中の波動に現れるトポロジカルなバンド構造に関する理解を窮め,新しい動作原理に基づく機能デバイスを探求し,その実現を目指します.

  • 高根 美武

    教授高根 美武

  • 西田 宗弘

    准教授西田 宗弘

量子半導体工学研究室

量子半導体工学研究室

私たちは未来社会を支える半導体デバイスとその作製プロセスに関する研究をしています。電子工学を基礎とした独自技術の提案により、新たな価値の創出を目指しています。
1万度以上の超高温高密度の熱流を噴出する大気圧熱プラズマジェットを基軸に、革新的なプラズマ技術の研究とそれに伴い達成することができる電子デバイス作製プロセスの新展開の研究を推進しています。
 また、水によるメニスカス力を用いて薄い単結晶シリコン層をペットボトルに使われているペット基板に転写する技術を開発しました。この技術により曲がる電子回路の作製に成功し、世界最高性能のフレキシブルMOSトランジスタやCMOSインバーター動作の取得を達成しています。
 半導体を中心とした、新たな価値の創造、社会を支えるモノづくり、皆さんと一緒に未来を拓きましょう。

  • 東 清一郎

    教授東 清一郎

  • 花房 宏明

    准教授花房 宏明

システム制御論研究室

システム制御論研究室

「制御」は私たちの身近なところで働いており,私たちの日常生活においても必要不可欠な技術の一つになっています。ところで,「制御」によって「もの」が動けばいいのではなく,産業界では,効率よく「もの」を動かすことで,コスト削減や省エネルギー化を実現することができ,結果として,利益拡大や最近注目されているSDGsを達成する社会の実現にもつながり,制御技術の果たす役割は想像以上に大きいものとなっています。一方,AI,IoT,サイバーフィジカルシステム(CPS),さらにはデジタル変革(DX)が注目され,データ駆動型社会の実現に向け研究開発が進められています。
システム制御論研究室では,データ駆動型社会を支える制御技術を中心として,「データ駆動型スマートシステム」の構築に関する教育と研究を進めています。

  • 山本 透

    教授山本 透

  • 脇谷 伸

    准教授脇谷 伸

  • 中本 昌由

    助教中本 昌由

  • 木下 拓矢

    助教木下 拓矢

社会情報学研究室

社会情報学研究室

競合あるいは協調する複数の経済主体が存在する実世界においては,利己的な経済主体の行動がもたらす相互作用によって,複雑な事象が発生します.これらの事象に含まれる不確実な要素を適切に取り扱うことで,合理的な意思決定の実現が期待できます.
 社会情報学研究室では,競合あるいは協調関係,情報の不確実性,人間の選好や行動心理などを考慮に入れた意思決定分析とデータ解析を行っており,ゲーム理論や多属性効用分析に基づく数理的な分析,人工社会モデルを用いたシミュレーション分析,機械学習手法を用いた複雑で大規模なデータ解析を行っています.さらに,その応用として,社会インフラである電力システムにおける計画,運用,制御の最適化や,合理的な意思決定に関する研究に取り組んでいます.このように,我々の社会に役立つ学問である工学の基礎研究から実践的応用研究までを行っており,これらに対応する人材の育成を目的としています.

  • 西﨑 一郎

    教授西﨑 一郎

  • 林田 智弘

    准教授林田 智弘

  • 関﨑 真也

    助教関﨑 真也

スマートロボティクス研究室

スマートロボティクス研究室

人間をはるかに上回る能力を実現するハイパーヒューマン技術は、18世紀の産業革命における蒸気機関、20世紀のIT革新におけるコンピュータというように、社会構造を大きく変える力を持っています。このような観点から、広島大学 スマートロボティクス研究室では、21世紀の産業革命を目指して、1000コマ/秒以上で動作する高速なロボットの目をはじめとした、人間よりも数十倍高速な認識・行動能力を持つロボティクス技術を中心としたハイパーヒューマン技術の研究に日々邁進しています。
 特に我々の研究室では、ロボット、マルチメディア、オートメーションなどの工学分野だけに留まることなく、バイオ・医療分野などとの異分野連携を積極的に行うことを大きな特徴とし、社会にインパクトを与える「使える」革新的技術の創生を目指しています。皆さんも、我々と一緒に、世界オンリーワンの先端ロボティクス技術を国内外に情報発信し、21世紀の産業革命にチャレンジしてみませんか?

  • 石井 抱

    教授石井 抱

  • 高木 健

    教授高木 健

  • 胡 少鵬

    助教胡 少鵬

  • Sushil RAUT

    特任助教Sushil RAUT

  • 島崎 航平

    特任助教島崎 航平

生産システム工学研究室

生産システム工学研究室

生産システム工学研究室では,生産システムの構成ならびに計画・管理に関する研究と教育を行っています.特に,経営工学(インダストリアルエンジニアリング)・オペレーションズリサーチ・人間工学(ヒューマンファクタ)を基礎として,生産の効率化や最適化を図る際の諸問題を生産のプランニング・スケジューリングおよびコントロールによって解決することを目指しています.
 学生の皆さん,ここでは生産の効率化や最適化をする研究や教育を行っています.その範囲は,製造業などにおける製品の生産ばかりでなく,原材料,部品,製品のサプライチェーン,各種サービス業におけるサービスの生産など,付加価値を創造するすべての活動を対象としています.これは企業だけではなく社会生活を営む人類の多くの活動が対象であるといえます.意欲と熱意のある皆さんには,是非一緒に生産の効率化や最適化について勉強・研究し,人類の繁栄と幸福に貢献しましょう.

  • 髙橋 勝彦

    教授髙橋 勝彦

  • 森川 克己

    准教授森川 克己

  • 長沢 敬祐

    助教長沢 敬祐

電力・エネルギー工学研究室

電力・エネルギー工学研究室

電力・エネルギー工学研究室では,電力システムの解析,計画,運用,制御に関連する手法を豊富に蓄積しており,これらを機能追加しながら汎用的な解析ツールとして再構築し,次世代環境における最適化に取り組んでいます。上記のソフトウエア的な視点でシステム全体に関連する課題解決に取り組むとともに,新型インバータなどハードウエアにも注力しています。全体のシステム構築の最適化について,ハード・ソフトの両面から評価し議論しています。主に,(1)特性非干渉型単相同期化力インバータの提案と実験検証,(2)電力需給制御マネージャの開発(発電量予測,前日需給計画,当日需給制御),(3)系統解析ツール開発(臨界トラジェクトリー法,電圧解析,不確定性に対するロバスト信頼度評価手法),(4)制御法や計画法の研究(電圧制御,FACTS機器,周波数制御,系統安定化制御,配電系統計画,停電作業計画など)の研究を行っています。これらの研究は,他大学との協働および企業との共同研究の対象であり,外部組織との連携も積極的に行っています。

  • 餘利野 直人

    特任教授餘利野 直人

  • 造賀 芳文

    准教授造賀 芳文

  • 佐々木 豊

    助教佐々木 豊

  • 田岡 智志

    助教田岡 智志

  • アーメッド ベダウィ

    特任助教アーメッド ベダウィ

生体システム論研究室

生体システム論研究室

進化のプロセスを通じて自然界に育まれた生体には,現在の工学技術では実現できないような極めて巧みで高度な生体機能が備わっています.そして,そのメカニズムを解析することは生体機能の解明のみならず,さまざまな新しい工学システムの開発につながる可能性があります.
 私たち生体システム論研究室では,生体の秘密に迫るというサイエンティストの目と人間の役に立つ機械を開発するというエンジニアの目という2つの目で,生体機能の特徴を理論・実験の両面から工学的に解析し,生体システム特有の新たな原理を見出すこと,さらにその原理に基づいた新しい医療福祉機器,産業機器を創出することを目指して,日々,研究に取り組んでいます.また,このような研究活動を通じて,電気・電子・システム・情報工学を基礎とした生体システム論に関する深い知識を有し,新しい原理の追及や新分野への展開を可能にするような創造性を備えた人材の育成を目的としています.

  • 辻 敏夫

    教授辻 敏夫

  • 栗田 雄一

    教授栗田 雄一

  • 曽 智

    助教曽 智